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後悔はないが、反省はある。
ベニートさんからいただいてお手紙が元ネタです。
妄想が先走った結果です。JIIも良いとこです(性的でなく)
そして、思いの外長くなった上に、意味わからんくなった。
苦情は受け付ける!
心の広い方のみどうぞ。
目が覚めたのは、頬を伝う涙の冷たさだった。
外では、彼が死んだときと同じ雨が降り続き、暗雲が立ち込めていた。地面を叩きつける雨粒は、変に感傷を誘うから、嫌いになった。
枕元に置いておいたリボンを、神頼みじみた無意識さで手に取ると、それは掌で型を崩してしまった。
「…中尉、あんたの夢を見たよ。夢とは思えないような内容の。」
夢に現れたのは、リボンの持ち主であった男であった。夢とは思えないリアリティのある会話を交わしたが、幽霊だったのだろうと、すんなり信じられる幼さは自分にはなかった。しかし、それでも疑ってしまいたくなるほどに夢の中の男はは現実感を持っていた。
「自殺じゃなきゃ、死ぬときは迎えに来るって本当?一緒に旅に出ようなんて、俺にとって都合が良すぎる話だ。俺を大切だなんてのも都合が良いけど、…………信じるよ」
夢の出来事を、そのまま鵜呑みにするだなんて馬鹿げたことをしているという自覚があった。だが、世界が馬鹿げた戦争に興じ、人もそんなことに命を懸けられる時代なのだ。自分にも、馬鹿げたことに命を懸ける資格はあるはずだ。
「夢でも良い、あんたが言ったことだ。あんたの言うことなら、俺は全部信じるよ」
口許に堪えきれぬ笑みを浮べ、リボンの端に唇を寄せる。遺品に魂が残るなんてことは、信じちゃいないが、そうせずにはいられなかった。
戦えば良い、軍人をし続ければ良い、それが死への近道だ。夢想家じみた考えに思いを馳せる中、ただひとつの気がかりが胸に蟠っている。自分が殺す兵士に遺された人間もまた、自分と同じ思いをしているのかということだ。
「俺なんかに、これ以上悲しむ人間を作ることは許されると思います?死にたがりの人間なんて、軍人においちゃ底辺だ。そんな奴が、これ以上人を殺す資格なんてないと思えない…」
夢の中で聞いておくべきだったかと、くだらない後悔に駆られるも、そうすれば、あの上官のことだ、君は生き残れだかなんだか、甘いことをのたまうのだろうと予測がついて、その可笑しさに少しだけ気分が浮上する。
夢で男に返したリボンは、依然として自分の手の中に存在し、あれは夢でしかなかったと告げているというのに。
「それでも良い」
夢のような不確かな存在でさえ、男は自分にとっての絶対であった。そして、それは男の死んだ今となっても、何も変わるところがない。
掌のリボンを懐へしまうと、ナイフを鞘に入れずに懐にしまいこむ錯覚があった、そして、その危うさに、たまらない魅力を感じている自分が、いた。
